賃貸入退去時の豆知識 11.退去立会(退去時のお部屋チェック)



11.退去立会(退去時のお部屋チェック)

(1)退去立会いの前に

退去通知により、おおまかな退去日(例 5月末)はご連絡済みですが、退去時チェックを受けるまえに、立会希望日時を連絡しておきましょう。事前連絡もなく「荷物全部出したので、立会お願いします。」といったケースが過去に何回もありました。立会により退去チェックが出来なければ、退去清算がスムーズにいきませんので、事前連絡を忘れないようにしましょう。

また、予め、前章でご説明しましたが、ライフラインの使用停止のご連絡を済ませておきましょう。料金の支払いは、口座振替の場合は、自動的に指定日に引き落としされますが、コンビニ払い等の場合は、事前に支払いを済ませ、退去立会の際に不動産会社への提示が必要となります。

また、これは当社からのお願いなのですが、退去日までにお部屋の清掃をして頂けると助かります。これは、入居の長短は関係なく、楽しいことや悲しいこと、それらも退去の時は一つの思い出となっているはずです。いろんな経験をさせてもらったお部屋に、感謝の気持ちを込めて掃除をすれば、とても心地よくないですか。残念ながら、退去立会の時は、ほとんどの場合が埃が部屋の隅っこに固まっていたり、キッチンは油でギトギトとなっている事が多いのが現状です。「掃除してください!」と言えば強制となりますので、掃除は「お願い」です。意味同じか。笑 

(2)退去立会

ご入居期間の長短に関係なく、住み慣れたお部屋を退去するのは、さみしいものですね。当社も、スタッフ一同、お客様のお気持ちをお察しし、退去立会を実施させて頂いております。退去立会で、入居者の皆様が一番気にされていることが「退去精算」ではないでしょうか。当社管理物件では、退去通知書ご記入の際にお部屋の損傷ヶ所等をヒアリングしております。ご希望なら、気になるところの事前チェックも行っております。
また、「退去精算」は、基本的に国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿って精算しております。升で量ったように、正確には計算しておりませんが、「喫煙」に関しましては、厳しくチェックしておりますので、ご容赦ください。ちなみに、当社管理物件で集合住宅は、全室禁煙となっております。最新の契約では、「敷地内も禁煙」にしております。バルコニーや共用部分での喫煙は、他の入居者の方へのご迷惑となることから、禁煙をお願いする様になりました。私も、約10年前までは、「喫煙」しておりましたので、喫煙されている方のお気持ちはとても分かります。しかし、非喫煙者の方にとっては、「不快」な事であり、退去精算も同じように行われるとしたら、不公平となるので、いくら6年入居されていて、残存価値が0円となっても、喫煙の場合は、少なからず御請求させて頂いております。
退去立会は、最近では実施しない不動産会社が増えました。「うちは退去立会いをやっていないので、退去されたら、その後郵送で当社へ送ってください」とか「ドアポストに鍵入れておいてください」といった感じで、なんか寂しいですよね。当社が退去立会させて頂いております意義は、入居されていた方への感謝の気持ちと、今後の新しい生活へのエールを送るためなのです。また、退去精算で「行き違い」をなくすために、必ず実施しております。今後、管理させて頂く物件が増えようとも、必ず実施していきます。
さて、ここで、契約解除の際の注意事項をおさえておきましょう。

(3)退去立会の主なチェック項目

当社の場合ですが、退去立会の際のチェック項目は、以下の通りです。

①たばこの匂い、汚れ、黄ばみ

退去立会の際、玄関から室内に入った際に、すぐにチェックするのが「お部屋の匂い」です。喫煙者であるか、非喫煙者であるかすぐに分かります。たばこのニコチンの匂いは、時間の経過とともに変化してクロスに染み込み、黄ばみとなり、独特な臭気を発していますので、そんな場合はクロスウォッシュでも黄ばみと臭気は取れないので、クロスの貼り替えとなります。喫煙による損傷は、借主の故意・過失となりますが、前述したように、6年経過しても当社では、若干のご請求をさせて頂きますので、くれぐれもご注意ください。

②クロス・床の破損

私は、学生時代から4年間お世話になった部屋で、2年ちょっとの間たばこを吸ってました。ろくに換気もしてませんでした。(反省。。)そして、壁に穴もあけてしまいました。。若かりし頃の失敗です。笑 しかし、入居時にもともとたばこ臭い、黄ばんだ状態での入居であった事を、管理している不動産会社が記録してくれていたので、穴の開いたところの補修費の1部(5000円)の負担のみで退去できました。私が、やった事は明らかに、借主の故意・過失に該当し、損害を賠償する義務を負う行為でありました。

その他、気を付けて頂きたいのが、お引越し時の家具のご移動の際に、壁クロスや床を損傷してしまった場合は、それがご本人でも、引っ越し業者であっても、損害を賠償するのは、借主(お客様)となりますので、ご注意ください。

③キッチン・洗面・浴室の排水口及び、蓋

水の流れ具合をチェックします。また、以前常識のない入居者がおられまして、とてもたばこ臭いお部屋でしたが、「室内では吸ったことがない」と言い張りましたが、キッチンの排水口を開けるとたばこの吸殻がたくさんありました。また、洗面化粧台・浴室の排水口も、髪の毛がたくさん詰まっている事もあります。この辺は、日ごろから小まめにチェックして清潔にしておく必要があります。

④キッチンチェック

コンロ、換気扇(レンジフード)が油汚れが残っていたり、又は通常のルームクリーニングでは落とせない場合、別途費用が発生する場合があります。日ごろから小まめに掃除しておく様にしましょう。また、ガスコンロの場合の壁の「こげ跡」も故意・過失となります。もともと、耐熱版等が設置されていない場合、ホームセンター等で耐熱版の代わりとなるものを購入し、設置しておくと良いですね。

④洗濯機トラップ用エルボ

洗濯機と排水をつなぐ、あの部品です。笑 なぜか、お引越しの時に、洗濯機と一緒に持ち出されるケースが多いのです。このエルボは、もともと設置されているものですから、必ず置いていきましょう。

⑤網戸

故意・過失があって破れているか、自然損耗であるかは、みれば分かりますが、当社は念のためお客様にお聞きしております。故意・過失による張り替えの場合、1枚3000円ぐらいと思っておいてください。

⑥設備チェック

◎エアコン
賃貸借契約書に「エアコン清掃代は借主負担」と記載されている場合がありますが、当社の契約では、基本的に貸主負担と記載しております。お部屋のルームクリーニングと同時に施工する場合は、1台5,000円程度です。たばこを吸われているお部屋の場合は、その費用は借主負担となりますので、くれぐれもお気をつけください。

◎照明器具
設備として照明器具がついていたかどうかは、重要事項説明書に記載してあります。設備なのに、取り外している場合は、お返しいただくか、それが難しい場合は、費用を頂くこととなります。

◎トイレ
便器の破損、または便座の破損、温水暖房洗浄便座の故障等をチェックします。

⑦結露チェック

結露を放置したことによる、お部屋の損傷は、賃貸借契約書上の「善良なる管理者の義務違反」となり、損賠を場使用する責任を負います。窓やサッシ、窓枠等が結露で濡れている場合は、ご面倒ですが拭き取りしていただき、カーテンを開けて、充分に換気が出来ていれば、カビや窓枠(木枠)への損傷はありません。また、雨が降っているのに、窓を開けていたことによりお部屋が損傷した場合も、借主の故意・過失による損傷となりますので、お気をつけください。

以上、大きく分けて7項目ですが、他にもチェック項目あります。ご参考になれば幸いです。